情報Ⅰとは
「情報Ⅰ」は選択必修科目であった「社会と情報」と「情報の科学」の2教科を再編集して2022年度入学以降の高校生を対象に必修となった科目です。
情報Ⅰの学習分野を分類すると以下の4つになります。
1
情報社会の問題解決
ソーシャルメディアの特性や著作権など情報リテラシーについて学ぶ
2
コミュニケーションと情報デザイン
アナログからデジタルへ変換する具体的な手法や、身近な情報手法について学ぶ
3
コンピュータとプログラミング
コンピュータの仕組みやデータの扱い、プログラミング、アルゴリズムについて学ぶ
4
情報通信ネットワークとデータ活用
インターネットを構成する各要素の仕組みやデータ分析について学ぶ
試作問題
2025年度からの共通テスト「情報Ⅰ」に向けて、2022年11月9日に大学入試センターから「情報Ⅰ」の試作問題が公開されました。
試作問題から問題の傾向や趣旨についての解説を行います。
共通テストでの各設問の配点は以下のようになっています。
問題内で使用されるプログラミング言語
共通テスト「情報Ⅰ」の問題で使用されるプログラミング言語は、教科書で用いられているPythonやJava Script、VBA、Scratchではなく、共通テスト手順記述標準言語(DNCL)が使用されます。
共通テスト手順記述標準言語(DNCL)は、2002年の大学入試センター試験から情報系科目で使用されており、日本語に対応した共通テスト専用の言語です。
詳細資料:
問題を解くためには、DNCLの文法知識ではなく、プログラムを書くための"考え方"が重要であり、この考え方に重点を置いて授業を行っていきます。
第1問
第1問は小問4つの構成となっています。それぞれの小問は教科書の単元ごとに内容が決まっており、網羅的な知識が必要となります。試作問題では問1が情報リテラシーについての問題、問2がデータ通信の基礎的な内容で進数変換などの問題、問3がコンピュータの基本的な仕組みである論理回路の問題、問4が図を用いた情報デザインの問題となっています。
第1問 問2 出典:大学入試センター
第2問
第2問は問Aと問Bの独立した二問から構成されています。それぞれが複数の単元にまたがった問題となっており、単元を結び付けて考える力が必要になります。第二問Aは二次元コード(QRコード)に関連した問題となっています。二次元コードに関する知識は勿論、眺めの文章の読解力、表の読み取りなどの能力が必要です。第二問Bは文化祭の模擬店という状況設定で出されています。各設問では、度数分布表やグラフなどを読み取る必要があり、データ分析の能力が問われています。
第2問A 出典:大学入試センター
第3問
第3問は一つの大問の構成で、買い物の代金を払う際の上手な支払い方を考えるという設定で、プログラミングやアルゴリズムの知識を問う内容になっています。上記の通りプログラミング言語は共通テストオリジナルのものとなっているので、ある言語の知識が特別必要になる事はありませんが、変数や繰り返し処理などのプログラミングについての普遍的な知識が必要になります。
第3問 出典:大学入試センター
第4問
第4問はデータの活用の問題になっています。スマートフォン、パソコンの使用時間と生活行動時間の関係という身近な題材で正しくデータを読み取る能力が問われます。箱ひげ図や散布図など種類の違った図の読み取り問題が出題されているのでそれぞれの図の特徴を把握しなければいけません。
第4問 出典:大学入試センター